MRの成長速度

現在のように訪問規制が厳しくない時代、MRは院内の廊下だけでなく、医局や病棟、手術室やカテーテル室にも相当数が出入りしていました。
行動価値を認められた”メーカーさん”は院内をかなり自由に移動でき、「夜遅く、先生と医局で麻雀をしていた」などという豪快な話も聞くくらいです。
患者プライバシーの保護という点では大きな問題がありますが、かつてのMRは、”OJTが院内で毎日”という恵まれた環境に恵まれていました。
雑談から専門的な話題までMRは自由に質問ができ、夜の飲食付き合いもある医師たちは、そのようなおおらかな関係性を受け入れていたわけです。
医師にしても、MRがいつも院内のどこかにいれば話しかけやすく、MRは医師を発見しやすい。
面会自体に規制がかかり、数十秒のディテーリングを練習してから訪ねることに慣れている若手MRにしてみれば、「おおらかで良い時代ですねえ」という感想を持つでしょう。

各種データを見比べていても、MRが医師と出会う時間は、年々短縮していると思われます。
MR数は約6万4千人にまで増加しましたが、医師数は約30万人で大きな増加はありません。
臨床現場が大学病院・GP・HPと違っても、MRと医師が対面することは同じなので、MR一人が出会える医師数は減りやすい。
さらにはコール数確保の頻回訪問や、訪問規制による面会の困難さ、製品数の増加なども影響していきます。
結果的に、MRは医師と出会いにくく、一緒に過ごす時間が短縮するため、顧客側の情報を得にくくなったわけです。
製薬業界の自主規制で接待が激減し、MRの人柄や性格が分かりにくくなった、という医師の意見も耳にします。

リマインダーとしてのMR

人間同士で出会うからこそ、思い出す数々の物事。
相互に情報を交換でき、意思疎通が成立するからこそ、忘れている事柄を思い出させるチカラがあるわけです。
リマインド=思い出させる、ということで、英語的には思い出を持つモノという意味もありますが、管理人としては”人間MRの重要な役割”だと意義づけします。
スマホにもアプリとしてのリマインダーが装備されており、忘れそうになる業務を登録しておけば、当日の時間前に通知してくれます。

つまり、各社の担当MRが訪問活動を通じて担っているのは、「医療専門職に対するリマインダー」だとも言える。
事前でも、その途中でも、対面している中で相手の顔を見ながら、医薬品や研究データに関する記憶を思い出させる能力を持つのです。
しかも、疑問や感想を直接聞きながらというのは、流行のインターネット経由での情報提供活動では不十分な要素であり、人間だけが完全にこなせる職務です。
訪問規制の影響で、院内の狭い場所に留まることになっても、姿を見せることでリマインダーとしての存在感を持てば、ディテーリング機会を得る可能性が高くなるはず。
医師がMRの顔を見ても、処方に関する質問をしたくないのであれば、これまでの情報提供が低い被記憶率になっていることも分かるわけです。

リマインダーとしてのMRは、自らの言動や知識を磨き続けることで、対面する相手から予想以上の情報をもらえる存在です。
接待規制や訪問制限の影響で、MRは院内に滞在しにくい現状ではありますが、自らの行動価値を「誰にでも思い出させる」と再認識し、その質を高めることは素晴らしい。
実は社内研修でも営業部門でも、意外と忘れられてきた昔ながらの職業価値なのですが、今一度、ビジネス面での洗練を描いてみると良い時期でしょう。 

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