オミクロン株の急拡大で、新型コロナウイルス感染症の第6波は大変厳しい展開になっています。
規模を問わずに病院からの訪問自粛要請が広がり、発熱外来やワクチン接種に追われる開業医からも「今はMR訪問をご遠慮願いたい」と言われる展開に。
そのような中でも「訪問規制を突破できるMR」「医師が会いたいMR」「処方を獲得できるMR」を目指す業界風潮は、長年の暗示に捕らわれているかのようです。
とくに「医師が会いたいMRになれ」といった方向性は、顧客個別の事情や心情、専門性や立ち位置をきちんと検討しないまま、「全員でとにかく突撃じゃ!」という無鉄砲な命令にも聞こえます。
コロナ禍を通じて訪問規制が明確でなく、MRがお弁当を台車に乗せて運んでいる病院にいるためか、「私たちは必要な存在です!」という無言のアピールが、色々な悩みの原因にも見えます。
やりたい仕事と、やっている仕事のギャップがなかなか解消しないのでしょう。
MRは当然のごとく、現代社会に必須の職業です。
あらゆる分野の医療用医薬品で"医薬情報担当者"の名に恥じぬ、膨大な実績を誇ってきました。
でも、今日は会いたいか?と言われると、多くの医師は「うーん、時と場合によるんじゃないですかねえ?」と答えるのでは・・・。
MRそれぞれにも個性があり、スキルの差を踏まえても、"必須と希望はこれまた違う"面があります。
まずはMRも医師もコロナ感染予防に努力し、混沌とした社会の中で、職業的役割を相互に最大化できる仲でありたいものです。